お水に含まれる細菌の99.9%を殺菌する新しい方法が考案されました!
新素材である化合物のシートに、日光(太陽からの紫外線)を1時間当てるだけで、お水100ミリリットルに含まれる有害な細菌が殺菌されるとのこと。
この新しいお水の浄水方法は「光触媒細菌」と呼ばれ、人体や環境にとって有害な塩素や、オゾン殺菌を使った今までの浄水方法に代わるものとして期待されております。
目次
光触媒細菌とは?
中国科学院と揚州大学の研究所によって、実用的でありながら毒性のない新たな光触媒が考案されました。
新合成素材のナノシートは、光を吸収するだけで充分な殺菌効果の活性酸素種を作りだすことができるのが大きな特徴。この潜在的なエネルギー保存性能が、専門家から注目を集めている素材です。
この新素材を使った浄水実験では、たったの30分でお水50ミリリットルの大腸菌の99.9999%を殺菌することに成功しております。その性能は他の非金属光触媒と比べて5倍という速さで、「最高の金属光触媒にも匹敵するほどの高い効率性」と研究論文にも記載されております。
さらに驚きなのがこの実験で使用されたシートは、10分の1が消費されただけなんです!
今までの光触媒の問題
今回提案された浄水方法は特定の光の波長がある時に、お水の中で酸素反応を促進させる光触媒を利用したものです。
この反応によって「活性酸素種(ROS)」という分子が細菌を殺してくれるのです。
この用途に使える金属触媒は実はいくつもありましたが、これらはお水の中に金属の残留物を残してしまうというデメリットもありました。
ナノチューブやグラフェンといった非金属触媒は安全ではあるのですが、金属触媒に比べて効率が悪く、充分な活性酸素種が作られないという問題がありました。
新合成素材のナノシートとは?
シートの端にカルボキシル分子と、カルボニル分子が添加されており、これがさらに電子を集める画期的な構造となっているのが特徴です。
この組み合わせによって、紫外線と可視光が当たると「過酸化水素」という活性酸素種が効率的に作り出され、これらがお水の中の最近の細胞壁を突破し、内部を破壊、お水と酸素に乖離されます。
このシステムは大規模でも実施できる見込みとして、研究者が特に注目されているようです。
またこのナノシートは低コストで簡単に合成することができ、システム自体もとてもシンプルな構造となっており、トータルコストも抑えられるとのこと。
ただしこのプロトタイプは他の汚染物質を取り除くには不十分で、まだ実用化には時間がかかりそうです。最終的に安全な飲料水にする為には、重金属イオンを取り除き、pHを調整、残留物を除去しないといけませんので、それらを考慮した装置が必要になります。
水道直結型ウォーターサーバーのさらに次世代、電気も使わない浄水装置が開発されるのはワクワクしますね♪
今後もこのような最新の研究結果も追ってご紹介してまいります!
引用:Chem
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