2018年7月5日、水道事業を民営化する水道法改正案が衆議院で可決されました!
水道老朽化対策促進の名目で、原則、市町村などが運営しながら民間企業に運営権を売却できる仕組み(コンセッション方式)も盛り込んだのが、この度の水道法改正の内容になります。
他にも国鉄やタバコ、郵政や電信なども民営化されてきておりましたが、水道民営化に関しては、国民の生活により直に関わってくるのに、あまりメディアでも取り上げられておらず、この事実を知らない人も多いかと思います。
そこで水道民営化で何がどう変わるのか、その背景と可能性を考察してみます!
目次
水道法改正の背景とは?
そもそもの発端は2013年4月にアメリカのシンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)での講演で、麻生太郎氏(副首相兼財務相)が、「水道民営化を目指す」と断言され始まりました。
自民党は以前から水道民営化を推進しようとしておりましたが、水道法改正案が審議入りしたのは6月27日。また6月18日に発生した大阪北部地震により21万人以上が水道の被害を受け、「老朽化した水道」という問題が注目され、一気に審議入りしたようです、
またこの度の国会で水道法改正案の成立を主導していたのは公明党だと言われており、水道事業の経営悪化は地方の生活に直結する為、地方議員の多い公明党は水道法改正案の成立に熱心に取り組んでいたという背景がありそうです。
問題視されていた水道の老朽化とは?
水道管の整備が進んだ1970年代の水道管が更新時期を迎えている中、人口減による水道料金収入の落ち込みが影響しており、更新が遅れ、水道管破損などのトラブルが相次いでおりました。
全国の水道は市町村や複数の自治体が作る企業団などによって、70年代に整備が進み、78年までの8年間で普及率は9割に達しました。2013年には国内総延長は約65万4,000キロで、普及率は97.7%となっております。
水道管は地方公営企業法施行規則で法廷耐用年数が40年と定められております。最近の水道管は耐久性が高く、100年使えると言われる水道管もありますが、70年代やそれ以前に敷設された水道管は強度が不十分で、更新時期を迎えている水道管が多いのです。
水道民営化によるメリットとデメリット
水道民営化によるメリット
国営では利益を追求しない為、自然とサービスの質が停滞してしまうという事も考えられましたが、民営化される事により自由競争がスタートします。
これによりサービスの質が向上し、利用者も自分で選ぶことができ、利便性も向上していくはずです。
また国や市町村などでは、民間企業となる為、そこから税収を見込めるというメリットも大きいはずです。
水道民営化によるデメリット
水道民営化によりビジネスとして運営される事で、利益を追求する事が最優先となります。水道を利用する国民の意見よりも、株主の意向や、経済的効率が優先されていきます。
水道事業が民営化された諸外国では、水道民営化により5倍近くまで水道料金が跳ね上がり、再公営化に至った事例もあります。
またもっとも日本にとって危険な点は海外の事業社が水道の運営を行う場合です。日本の生活インフラが1つ奪われてしまうという事態となります。水道の実権を海外の事業社に持たれてしまうと、実質、日本がその国の属国となってしまうという危険性があるという事は忘れてはいけないと思います。
実際に世論では水道民営化の不安が大きく、反対意見が圧倒的に多かったのですが、すごいスピードで可決されたのには驚きです。
まとめ
水道事業が民営化される事により、今までズルズル先伸ばしにされていた水道管の更新が進む事が予想されます。
国営では補えない資金がかかる為、国民の安全性を考えると仕方ない部分でもあるのかと思いますが、これにより水道料金が大きく値上がりする可能性も否めません。
また日本の水道管理局は厳しい基準値を設け、水道水の安全を確保しておりましたが、値上がりを抑制する為、この基準値が引き下がる可能性も考えれるのではとも思います。
その場合は、水道直結型ウォーターサーバーがあれば、自宅で安全なお水を確保する事ができる為、大きな影響にはならないのかとも考えております。
私は安い水道水を提供する会社と契約し、水道直結型ウォーターサーバーで安全にろ過するという方法で対策しようと考えております。
皆さんも今後の水道水との向き合い方を考えれておき、引き続き安心した生活を送れるように準備しておいてはいかがでしょうか?
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