厚労省から水質基準見直しの発表があったらしいけど、テレビや新聞では見ないし気にしなくていいの?
そもそも水質なんて一般人には分からない内容だよね。
そんな疑問を解決いたします♪
厚生労働省から2020年4月1日より水質基準を見直すとの発表がありました!
水道民営化に続き、水質基準見直しは日本人にとって非常に重要なことなんですが、多くのマスメディアでは報道されておりません。
大きなポイントとしては農薬類の規制が大幅に緩和されるということです!
厚労省ってこっそり重大発表するよね。
でもこれは全国民に関わることだから知っておいてほしいんだ!
目次
水質基準の見直しについて
厚労省の水質基準見直し方針は以下の通りです。
内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果を踏まえ、対象農薬リスト掲載農薬類(浄水で検出される可能性の高い農薬)3物質及び、その他農薬類(測定しても浄水から検出される恐れが小さく、検討の優先順位が低い農薬類)4物質について目標値を見直す
7種類の農薬類について浄水目標数値を変更することや、新しく水質管理目標を設定するという内容です。
農薬類に関しては目標値を大きく規制緩和するといった内容が含まれており、これから水道水の安全性には不安を感じてしまいます。
対象の7種類の農薬リスト
対象農薬リスト掲載農薬類 | 変更後 | 変更前 |
カルタップ | 0.08mg/L | 0.3mg/L |
ジクワット | 0.01mg/L | 0.005mg/L |
プロチオホス | 0.007mg/L | 0.004mg/L |
その他農薬類 | 変更後 | 変更前 |
セトキシジム | 0.2mg/L | 0.4mg/L |
チアクロプリド | 0.03mg/L | – |
チオシクラム | 0.05mg/L | 0.03mg/L |
ベンスルタップ | 0.06mg/L | 0.09mg/L |
※赤字:規制緩和された農薬
水質基準の見直し適用開始時期と見直し理由
厚労省の水質基準見直し適用開始時期は以下の通りです。
このうち対象農薬リスト掲載農薬類については、パブリックコメント手続き(国民からの意見集約)、厚生科学審議会生活環境水道部会(3月23日に開催予定)を経て、見直しを行い令和2年4月1日から適用する
その他農薬類については、厚生科学審議会生活環境水道部会における審議をもって、見直しを行い令和2年4月1日から適用する
厚労省の水質基準見直し理由は以下の通りです。
令和元年12月末までに内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果が示され
現行評価値と異なる評価値が得られたことから、見直しを実施すべき項目と考えられる
水質基準見直しで懸念されること
毒性の強い除草剤や殺虫剤などの農薬が大幅に規制緩和されたことです。
規制緩和対象となった「ジクワット」は収穫前のジャガイモの蔓枯らしに使われる除草剤の1つで、細胞毒性が強く体内に取り込まれるとフリーラジカル(活性酸素)を大量に生み出します。
それにより体の各臓器に組織障害を引き起こし、下記のような症状を誘発します。
・腹痛
・下痢
・口の中のただれ
・中枢神経障害
・肝機能障害など
また最悪の場合、死んでしまうこともある非常に危険な農薬なんです。
その危険な農薬「ジクワット」は新たな水質基準の目標値が今までの2倍に緩和されてしまっております!
また有機リン系殺虫剤である「プロチオホス」も今までの1.75倍、稲やジャガイモの殺虫剤である「チオクラシム」も今までの1.67倍まで規制緩和されております。
新たな暫定基準値の設定について
有機フッ素化合物の「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)」、「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)」の暫定基準値が新たに設定されました。
これらは消化薬剤やコーティング剤などに使用されており、毒性が強いことから世界的に製造、販売が制限されている物質です。
今までは毒性評価が定まらないという理由から目標設定がされていなかった為、「要検討項目」に位置づけられていたのですが「水質管理目標設定項目」に変更されることになりました。
「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)」の暫定目標値は0.00005mg/L。
=水道水にこれだけの「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)」が混じっても問題ないとするということです。
水質基準の見直しまとめ
嘔吐、下痢などの急性毒性、肝炎、腎機能障害などの慢性毒性がある「六価クロム化合物」などは規制が強化されております。
全部が全部、悪い方向に行っているという訳ではありませんが、農薬に関しては気になる内容が多く含まれておりました。
また東京都水道局は「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)」、「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)」が検出された浄水場が取水する井戸を調査し、濃度の高い井戸からは取水を停止するなどの対策も図っているようです。
水道民営化に続き水質基準の見直しが進む中、水道水の安全性については一層注意を払っていく必要があると思います。
今後も全国民の生活に関わる水道水の情報について、追ってご共有してまいります!
※参考記事:4月から水質基準見直し 農薬類の規制大幅に緩和(長周新聞)
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